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10/18

「山廃酒母の経過」(後編)

【蔵作業】山廃酒母経過(後編:約20日目~30日目)
 今回は、いよいよ山廃酒母経過の完結編です。
中編では酵母の増殖がピークになり、酵母の発酵による炭酸ガスで酒母がポコポコと泡が湧いているところまでを紹介しました。
酒母後編1.jpg
 その後写真(上)のように泡が湧いてきて、酵母の発酵熱だけで品温はドンドン上がり、24℃~25℃を維持した状態で数日間、経過させます。
そのとき酒母の中では酵母の増殖発酵が盛んに行われ、酵母は糖分を発酵してアルコールを生成します。
それと同時に香気成分も生成し、櫂入(かいいれ)をすると良い香りがフワッと上がってきます。
そしてアルコール、糖度など分析値を見て、タンクに巻いている巻物を外して冷やしていきます
 
酒母後編2.jpg酒母後編3.jpg
この頃には酸、アルコール分が高くなり酵母にとっては生きていくには厳しい環境になっています。
酵母には厳しい環境ですが、酒母としては、酸、アミノ酸、アルコールなどの成分(味)は整っているので、酵母がこれ以上働かないように、また酵母は衰弱または死滅しないように、品温を5℃前後まで下げる必要があります。
少しずつ冷やしていき、アルコール度が目標値(12%前後)になれば山廃酒母の完成です。
タンクに竹筒を巻き、その中にを入れて、さらに酒母を冷やしていきます。こうやって酵母をしっかりと休ませて、使用日まで待つことになります。
酒母後編4.jpg酒母後編5.jpg
 
 そして、いよいよ山廃酒母を醪(もろみ)に使用する日がやってきました。
写真は「酛卸し(もとおろし)」という作業です。
酒母タンクの中の山廃酒母を次の工程である醪(もろみ)タンクへと移動します。
写真は酒母を醪(もろみ)タンクへ移動しているところです。
  酒母後編6.jpg
 以上、「山廃酒母」が出来上がるまでの流れでした。
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