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菊姫の酒造り

手造り優先のためのハイテク

たとえそれが非効率なことであっても

菊姫の平成蔵は業界最新のハイテク設備を擁していますが、それら全ては「手造り」を最優先させる考え方が貫かれています。
たとえば、もろみ温度の計測や麹室の温度・湿度管理は24時間コンピュータの監視の下に置かれています。これらは、人間のうっかりミスを防ぐためには大変便利な道具ですが、その後の判断と対処こそが重要な人間の仕事だと考えています。つまり、ハイテクは最高の手造りをするためのバックアップの役目を果たしているにすぎません。

特に原料処理における洗米・浸漬の作業は大変デリケートなので、平成蔵でも機械化せず手作業で行います。また、麹室も他に例を見ないほど広いスペースを確保していることもその表われです。ここは麹蓋による完全手造りの製麹を行うため、人間工学に基づき特別に設計された室で、均一な薄さで蒸米を広げることができるよう、たっぷりとした広さを誇っています。ここでは大きな1つの部屋を4つに仕切り、状況に応じてそれぞれの部屋を独立させたり、つなげたりすることができる菊姫独自の工夫が擬らされていることも特徴です。

仕込みタンクはもろみの醗酵温度の変化に迅速に対処できるよう、小さな特注3重ジャケット構造のタンクを使用しています。これも人間が丹念に目が行き届く範囲の作業を菊姫が最も大切だと考えていることの一例です。

つまり、非効率的であったとしても、品質に優しいことをいかなる時も主眼に置いています。それは反面、人間に厳しさを要求します。しかし、最高の手造りを行うために、今後も菊姫は単なる大量生産のための省力化は決して行いません。