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菊姫の酒造り

オンリーワン」であり続けるために

最近「ブランドマーケティング」という言葉をよく耳にします。そもそも、「ブランド」とは何でしょうか。一言で言えば、それは「信頼を裏切らない」ということに尽きると思います。このブランドの商品なら、多少高くても品質は間違いない、価格以上に満足感がある、安心して買える。そういう信頼感を維持し、企業の方向性がゆるがないメーカーだけが、ブランドとして生き残っていけるのではないでしょうか。

昨今は、一部の食品メーカーを中心に、その信頼を裏切る行為が次々と取りあげられていますが、当のメーカーはことごとく壊滅的なダメージを受け、場合によっては消え去っています。どんな大きなメーカーでも、一旦消費者の信頼を裏切ればたちまちそっぽを向かれ、相手にされなくなるのです。

日本酒業界では、幸い今のところそのようなことは起きていません。しかし、今のように味や品質より効率やコスト削減を重視した酒造りや、目先の利益だけを追い求めるような売り方を続けていけば、たとえ違法行為がなくても、同じようなことが起こらないとは限りません。

「純米酒」と勘違いさせるようなネーミングの商品や、清涼飲料水より安いパック酒まで売られている昨今ですが、これはさらなる日本酒離れを加速することにならないのでしょうか。

その一方で、良い酒・おいしい酒を選ぼうにも、表示だけで日本酒の中味を判断することは、きわめて困難です。このシリーズで再三申し上げてきたことですが、たとえば「純米だからおいしい、精米歩
合の値が小さいから良い、だから純米吟醸が最高の酒だ」とは必ずしも言えないのです。どうか表示に惑わされずに、ぜひあなたご自身の舌でお確かめ下さい。あなたの舌に合う酒が、あなたにとっての良い酒なのです。

菊姫は、常に考えています。このすばらしい日本酒の世界を未来に残していくために、何をするべきかを。菊姫はこれからも「日本酒本来の旨さ」を追求し、お客様の信頼を裏切らない酒造りを続けてまいります。

今後ともご愛顧賜りますよう、心よりお願い申し上げます。