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菊姫の酒造り

ゆとりを持って「完全自家精米」

丹念に磨けば驚くほど長時間を要する

合理化の名の下に現在では自家精米を行っている蔵元は極僅かになりました。 それも全量ということになれば、皆無に近い状態です。しかし、菊姫はこれを 当然のこととして受けとめ、あくまでも全量自家精米を続けます。
品質の良い原料米を確保することは絶対条件ですが、精米の仕  方が丁寧でなければ決して良い酒はできません。酒造りの世界では米を削ることを米を磨くと言いますが それほど精米は大切な要素です。
菊姫大吟醸の場合、米を50%までに磨き、中心部の心白部分を使用します。 ひと口に50%と言いますが、ここまでに約50時間、「吟」の場合、あと10%磨き、40%にしますが、そのためにはさらに50時間、計100時間を要します。精白度を上げるためには米が割れないよう、品温があがらないよう、丁寧に行う必要があります。 精米機はコンピュータ制御の最新鋭機を使用しておりますが、そのソフトは無論、 菊姫独自のものです。

精米後の「枯らし」を重視

吟醸酒造りに力を注げば注ぐほど、精米機はフル稼動状態となり、処理能力が目一杯となってしまいます。 それでも、これを他に委ねないもう一つの理由は、菊姫では「枯らし」を重視しているからです。これは品温を静かに落とし、米自体が含んでいる水分量を一定期間置くことで10%から13~14%に戻す効果があります。こうした水分の平均化・ 調節の工程は次に続く洗米時、急激な吸水で米が割れないとうにするためです。
精魂込めて生産者が育てた酒米、それも極上の山田錦を可能な限り丹念に時間をかけて磨いたり、「枯らし」の期間をしっかり計算して行う工程を果たしてどこがやってくれるでしょうか。これを実現するには完全自家精米しかあり得ないと菊姫では考えています。

八基の精米機で万全の準備

従来、旧精米所にて四基の精米機で精米を行っていたが、新精米工場(八幡工場-やはた) の落成とともに新たに四基が加わり計八基での稼動が実現しました。 これにより、充分に余裕を持たせた精米を行うことが可能となったのです。
菊姫は「精米を他所に頼むようなら、酒造りを止めろ」という家訓を頑なに守り続けます。