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菊姫の酒造り

誤解されている日本酒の世界<番外編>

~日本酒に添加されているアルコールは石油からできている?~

もちろん、そんなことはありません。日本酒に添加する醸造アルコールは「発酵によって造られ、かつ純度の高いものに限る」と決められています。主な原料は、ラム酒の原料にもなっている糖蜜です。これらを発酵させた後に、連続蒸留して純度の高いアルコールに仕上げています。つまり、純度の高い焼酎に近いもの、と考えて差し支えありません。この醸造アルコールは、日本酒以外にも焼酎やウイスキー、梅酒やみりんなどの原料としても使用されています。

醸造アルコールの原料には、他にも芋類や穀類などが使用されています。2002_9米から造られるアルコールもありますが、原料が同じためか比較的酒とのなじみが良く、アルコールの刺激を感じにくい、という特徴があります。逆に、アルコール添加酒に期待される味の軽さやキレは控えめです。また、熟成で味がなめらかになっていくと、その差は少なくなっていきます。ですから、アルコール添加量の多い酒や、新酒で楽しむタイプの酒には良いかもしれません。

醸造アルコールは、厳密に比較すれば原料によって風味が若干異なりますが、連続蒸留されているので、残留成分はごく僅かであり、その差は製造方法や造りの方向性などの違いの中に吸収されてしまう程度のものです。それゆえ、アルコールの原料自体が日本酒の品質に決定的な差をつける大きな要因である、とは言いきれません。それよりも、使用している原料米の質や蔵元のポリシーなど、もっと根本的な部分が、日本酒の質や性格を決める大きな要因なのです。

菊姫は、原料米を吟味し、かけるべき手間をかけ、あくまでも酒質重視の酒造りを行なっています。ぜひ、あなた御自身の舌でお確かめ下さい。

菊姫「にごり酒」は、発酵の終了したもろみをそのまますりつぶしてある、個性的なお酒です。口当たりが甘く、女性にも飲みやすい逸品です。