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菊姫の酒造り

菊姫はほんのり薄化粧

これからは、ちょっと色にもご注目

現在では無色透明な日本酒が普通となり、これが当たり前のようになっています。しかし、ビールやワインに色がもし無かったらと想像してみてください。何と味気無いことでしょうか。しかし、技術的にそうすることは簡単なことです。活性炭による、ろ過を行えばよいのです。 このようなことが日本酒の世界では常識として行われており、水と区別のつかないような厚化粧の酒が氾濫しています。通称、色抜きと呼ばれているこの工程で最も問題なのは、同時に日本酒独特の香りや旨みの成分も抜かれてしまうことにあります。

菊姫では、あくまで酒は生き物であると考えています。ですから味も色も本来持っているものを生かし、皆様に味わっていただきたいのです。見た目だけがいい酒より、すべてのバランスがとれている酒が旨い酒だと確信しています。
 

旨さを追求すれば黄金色

なぜ、日本酒がここまで素性を隠してしまう風潮が生まれたのかといえば、半世紀に及んだ級別審査が大きな療因であると言えるでしょう。粗悪な酒が出回った時期ならいざ知らずなぜそうまでする必要があるのでしょう。これを逆にいえば、色抜きをどうせしなければならないのなら少々雑に造っても、結果は同じということも意味します。
活性炭は、脱臭剤としてや水道水をきれいにするための浄化に使用されているものです。しかし、酒造りで活性炭を色抜きのために大量に使用することには疑問があります。 酒造メーカーでは、活性炭の標準的な量として、酒1キロリットルあたりに活性炭1キログラムを使用することを通称「キロキロ」と呼んでおり、それを上回る場合も多くあるようです。これでは水と区別できない色になるのも当たり前です。しかし、菊姫は酒質に応じた最小限度の量しか使用しないので、酒本来の色と旨みが生きています。これが可能になるのも、吟味した原料や造りそのものに充分な自信を持っているからです。

本来、美味しいものには独特の色があります。菊姫は、あくまで酒の個性を生かしていきたいと考えています。 ほんのり薄化粧の黄金色の酒は、菊姫の自信と誇りのあらわれです。