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お知らせ

12/17

「吟醸酒用の麹造り(麹蓋Ver.)」

大吟醸などの吟醸酒は「麹蓋(こうじぶた)」と呼ばれる、柾目の杉材でつくられた箱を使って麹を育てていきます。

平成蔵の麹室の方も麹蓋法による麹造りがスタートしました。

この箱に、麹を小分けして菌を育てていきます。

麹蓋での作業は手間がかかりますが、すごく細かい品温調整ができます。

良い突き破精型の麹を造る際はとても優れた製麹法です。

1日目に麹菌のタネを振ってから

麹造り2日目早朝に「盛り」(麹菌を育てる工程)という作業をします。

この時点で麹蓋に小分けします。

このときはまだ破精(菌糸が蒸し米に根つき、喰い込んだように見える状態)が目に見えないぐらいしか麹菌が育っておらず、発熱も弱いので、密集形態にして厚い布で保温します。

その後、2日目の間に破精がどんどん大きくなり、それに併せて定期的に一枚一枚中の手入れをし、形状を変え、全体隊列も変え、掛ける布の厚さも変えていきます。

麹菌の成長に併せ、温度と湿度が目標通りになるように細かく操作していくわけです。

それから24時間経った3日目の早朝、昨日盛った麹が薄い青布を掛けられているのが見えます。

その部屋に入ると、芳ばしい栗香が感じられます。

積み重ねられた箱が高くなっているのは、昨日の後半の仕事で、麹菌の生育にあわせ、品温や湿度調整のための共蓋(空の蓋)を間に挟んでいるためです。

味見をしてみると芳ばしい香りとほのかな甘みがあって美味しいです。

そんなことをしているうちに今日盛りの作業が始まりました。

麹造りは温度湿度の管理がとても重要となってきます。

年内はこうして麹蓋による麹造りが次々と続いていきます。