12/20
「麹蓋で造る麹は小さい子供を育てるのと一緒!」
もういくつ寝るとお正月・・・の前にクリスマスでしょうか。
今年は25日が月曜日なので24日にイベントを行う人が多そうです。
気持ちのこもった贈り物というものはなんでも嬉しいものですよね。
さてさて話は変わり 日々寒くなっていくこの時期、麹室(こうじむろ)では「麹蓋(こうじぶた)」の使用が始まりました。
麹を作るのは様々なやり方があります。
例えば、「機械製麹法」 温度や湿度を自動的に機械で調節して麹菌を繁殖させる方法。
例えば、「床麹法」 箱などを使わずにすべて床(とこ)と呼ばれる大きなベッドのような上で作業を行う方法。
などなど。
では「蓋麹法」とはどういった麹の作り方なのでしょうか?
といったことを今回は紹介します。
まず、麹菌をうまく育てる前提として、湿度と温度の管理が最重要課題となります。
ここでの「麹蓋」の最大のメリットと言えば、一つ一つきめの細かい作業(湿温度管理)ができることです。
逆にこれは一つ一つ細かい管理をしなくてはいけないということ。 簡単に言えばとても手間がかかる方法となります。
では作業工程を紹介します。
早朝、前日もやしを振った蒸米をほぐし、麹蓋に小分けにしていきます。
1t仕込の醪の麹は、200枚程度の麹蓋に小分けされます。
初めはまだ昇温力が弱いので麹蓋を密集形態にして厚めの布団をかけてあげます。
寝ている子供の布団が肌蹴ていたらかけてあげるのと一緒です。
さらに一日たったものは、麹菌も繁殖して発熱や水分発散も盛んになりますので、間隔を広げ、布も薄いものとなります。
様子を見ながら、ムラの出来ないように定期的に位置を入れ替えます。
約200枚もありますから入れ替えも大変です。
ですが、ここが蓋麹の良い部分となります。 麹蓋が密集している場合
中央に行けばいくほど温度は上がります。逆に外側は下がります。
上側の方が温度は高いですし下側は温度が低くなります。
この時に麹蓋を入れ替えることで温度を細かく均一に調節できるわけです。
さらに言えば、麹蓋は木でできているため、湿度の調節もある程度やってくれます。
湿度を変えずに温度だけうまく調節できるという優れものなんです。
「麹蓋で造る麹は小さい子供を育てるのと一緒」
麹造りの担当者の言葉です。
温度が上がらずに寒そうにしていれば布団をかけてあげ、暑そうなら涼しい格好にしてあげるなど
目を離してはおけないような小さい子供を育てている感覚に本当に近いんです。
手間はどうしてもかかるけど、その手間分に愛情が注がれています。
そういった愛情も皆様にお届けできたらとそう思います。