06/05
「官能評価トレーニング」
日本酒の利き酒をしたことがある人は多いかと思います。
例えば、同じ山廃純米のお酒を数社分集めて飲み比べとかをやってみると、蔵元での味の違いが良くわかって面白いものです。
しかし、同じ利き酒でも行う人の立場によってそのお酒に対する捉え方は違ってくるでしょう。
◆製造の現場では、お酒にオフフレーバーが出ていないか、といった品質管理のため。
◆開発の現場では、製品の特長をデザインする、酒質設計のため。
◆販売・サービスの現場では、お酒の特徴を、お客様にわかりやすくお伝えするため。
あるいは商品の買い付けのため。
◆一般のお客様にとっては、購入して楽しむため。
先日、入社2年目の若手社員の「官能評価トレーニング」を行いました。
*官能評価とは人間の感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)を用い、一定の手法に基づいて対象物の特性を評価・測定する行為のことをいいます。
【課題①】
「いや~、思ったより全然多く口に含んじゃいますね。絶対1ml~2mlじゃないとだめなんですか?」
「あくまで目安であって個人の裁量で決めていいよ。でも口に含む量は常に一定にすることを忘れずに!」
【課題②】
「どれも順番道理に並べるのは難しいですね。この中で難しい香味はどれなんですか?」
「甘味は難しい方。逆に酸味やアルコールは刺激を感じやすいから違いが分かりやすい。」
【課題③】
「13種類中10種類は判別できましたよ! でも脂肪酸(カプロン酸)とカプロン酸エチルの違いを見極めるのはなかなか難しいですね。」
「脂肪酸はカプロン酸エチルの前駆物質だからね。カプロン酸エチルは鑑評会用酒や市販酒でも多く使われている香味成分で、特徴は果実臭が強いことだよ!」
【課題④】
◆お酒は 吟醸酒、純米酒ともに菊姫商品3種類+他社商品1つの計8つ
「舌で感じた味を言葉で正確に表現するって意外と難しいですね。 それに商品のマッチングはなかなか当てはまらなくて利き酒って難しいです。利き酒上達のコツってなんですか?」
「味の表現は練習すれば上手くなる。商品マッチングはピタリと言い当てるのは本当に難しいけど。これを上達させるには日々の食事やお酒を飲む機会に自分の感想をしっかり持って地道に取り組むことが一番大切だよ。」
若手社員君は何度も口にしては首をひねりながら回答を書いていました。
お酒の表現の仕方って本当に難しいんです。
今回は若手社員が対象でしたが、社内では年に1~2回程度このような官能トレーニングを実施して社員の技術向上に繋げています。
皆さんも日々のお酒を意識して飲んだら味わい方が変わってくるかもしれませんよ!