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07/28

柳社長コラム 「自然からの授かりもの、命の水」

 
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                   (画像はイメージです)
普段何気なく使っている水ですが、我々人間を初めとする生物は
この水がないと生きてはゆけません。
 
日本酒においても、水は味に直結する重要な要素の一つです。
酒造りに関与する微生物の生育や醗酵・様々な酵素反応は、
水の質によって大きく影響を受けます。
 
一般に、酒造りでは使用する米の20~30倍の量の水が必要と言われており、
質・量共に安定した水源を確保することが、
酒造りにとって如何に重要なことかお分かりいただけるでしょう。
 
昔から「水のいい所に旨い酒あり」といいますが、まさにその通りです。
逆に、良い水が安定して確保できなければ、理想的な酒造りは難しくなります。
 
酒造りに適した水の条件とは、鉄やマンガンなどの有害成分が含まれないこと、
アンモニア・有機物など水が汚染されている指標となる成分が含まれないこと、
生酸菌や大腸菌などの有害な微生物が検出されないことなどで、
飲料水より厳しい基準が要求されます。
 
地中に浸透した水は、いろんな土の層を通過する間にろ過され、
同時に土中に含まれている微量元素が溶出し、
適度なミネラル分を含む地下水となっていきます。
水に含まれるカリウムやマグネシウムなどのミネラル分は、
微生物の増殖を助けたり、酵素の溶出を促したりする効果があります。
 
近年、地表がアスファルトやコンクリートで覆われたために水が浸透しにくくなったり、
地盤沈下のために地下水の汲み上げが規制されてしまったり、
あるいは農薬などで水が汚染されて使えなくなってしまった、
工事などの影響によって水脈が変わってしまったなど、
人間の生活が水の質や量に影響を与えることも少なくありません。
 
菊姫では幸いなことに、良質の水が昔と同じように地下から湧き続けています。
 
これは、白山を始めとする周りの山々が「天然のダム」となって冬の雪を蓄え、
これが地下に浸透して水を供給してくれているおかげなのです。
自然の恩恵に感謝すると共に、この自然を今後も守り続けることが
酒造りを守り続けることにも通ずるのだと、いつも自らに言い聞かせています。
 
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